映画『あの頃、君を追いかけた』(2018年 日本リメイク版)

日本

台湾版の「那些年,我們一起追的女孩」(あの頃、君を追いかけた)を観ていないなら、
このブログを読まずに、とりあえず観に行くことをおすすめします。

 

 

台湾版は、こちら

 

 

 

1 映画情報

原題: あの頃、君を追いかけた
出演: 山田裕貴
齋藤飛鳥
松本穂香
佐久本宝
國島直希
中田圭祐
遊佐亮介 ほか
公開日: 2018年10月5日
上映時間: 114分
監督: 長谷川康夫
配給: キノフィルムズ
公式サイト: http://anokoro-kimio.jp/
主題歌: Thinking Dogs「言えなかったこと」
原作: 九把刀(ギデンズ・コー)「那些年,我們一起追的女孩」

 

2 予告

3 あらすじ

肩のあたりが青色に染まった学生服。
真っ赤なりんご。

思い出されるのは、君に心奪われた、あの頃。
規律の厳しい高校の学生だった水島浩介は、問題児として扱われていた。
ある授業で、学校一の優等生の早瀬真愛の前の席に座らせられたことで、
それまで気に留めていなかった彼女のことが、忘れらないものとなった。

高校から10年の記憶。

 

 

 

4 感想

最初に、台湾版を見ていない人たちには、とりあえず、観に行って欲しいと書きましたが、
ブログを書くにあたって、やはり作品単体の感想を書くべきだと思っています。
今回の作品については、私自身、どう考え方を変えても、
台湾版との差に目が向いてしまいました。

作品ごとに、良いところ、悪いところがあるはずですが、
リメイクとして作成された本作品は、そのリメイク方法が、
キャストの人間関係やストーリー展開に大きな違いを感じられず、
その作品自体の感想を見出しにくいものでした。

ストーリーを知らずに観に行った人たちは、その展開が新鮮に感じられた可能性もあり、
また、十分に伝わるものがあるかもしれませんが、以下、そういった目線での感想を書いておりません。

 

 

 

ストーリー展開を知った上で、観に行った私は、その表現の粗さが気になりました。

設定は、クラスの男たちが憧れた女の子を、友人たちが皆、夢中になっていたという設定ですが、
この作品では、主人公の男子も、そこまで夢中だったという感じが伝わってきませんでした。
俳優さんの演技のせいか、コマ割りのせいかは分かりません。

ヒロインが口にした「あなたほど想ってくれる人はいないかも」が、
ただの台詞にしか感じ取れませんでした。

また、ヒロインが主人公の男子を「幼稚」と考えるのも重要なポイントだったと思いますが、
これも台詞で表現されるほどの「幼稚さ」を主人公からは感じ取ることができませんでした。

 

時代背景としては、北島康介さんの話がでたあたりで、2008年ごろの設定と想像しますが、
学生寮のピンク電話や昭和を感じさせる共同部屋も、ちょっと違和感を感じてしまいました。
台湾版は、1994年が高校時代として始まり、現実的だったように感じます。

 

公開前に流れていた予告では、台湾版をそのまま日本へ置き換えたのかと思っていましたが、
日本の町に、台湾シーンが入ってきて、もう、実在の町なのか、空想の町なのかも、
分からなくなりました。

 

海で仲間たちとはしゃいでいるシーンも、長野県からどういう経緯で海へ?
しかも、台湾の季節をそのまま持ってきたため、卒業式→受験→海ではしゃぐ、
といった流れで、どう考えても、日本じゃないような?と、いささか設定に混乱を感じました。
商業的な理由なのか、監督の方針なのか、説明が足りていない気がしました。

 

そして、地震のシーンは、もしかしたら東日本大震災を引っ張てくるんじゃないかと、
嫌な予感が頭をよぎりましたが、そうではなくて、良かったです。

 

そして、個人的に一番、引っかかったのは、
ラストのBGM。。。中途半端過ぎませんかね?
台湾版を観た人たちは、分かると思います。

 

原作は、自伝がもとになっています。
結果、成功して小説になったという経緯までが、この作品ではないかと感じています。
リメイクという時点で、その背景にある現実感というのは感じられない作品なのかもしれません。

 

さて、キャストの設定は、若干の違いがあります。
松本穂香さんが演じる小松原詩子の存在は、原作とは違うストーリー展開を期待させてくれましたが、
結局、最後まで、ヒロインの陰に隠れた存在でした。

 

そして、遊佐亮介さんが演じる杉村一樹。
仲間の中での位置づけは違っていましたが、
台湾版の阿和役の郝劭文(スティーブン・ハオ)さんとそっくりでした。

 

もともと、私は台湾版に対しての思い入れが強いのかもしれません。

年齢が一致している人たちや、台湾版を知らず、
軽いタッチの作品と納得できれば、満足できる作品だったのではないかとも、思います。

 

実は、前売りで、もう1枚買ってしまっているので、
もう一度、時間をおいて観に行きたいと思います。

 

2018/10/20(土) 追記:

各劇場、上映時間が減ってきたので、最後の1回行ってきました。
前回の観た後、パラレルワードのことを書かれているのを見かけて、
そんな解釈もありなのかと、今回は、あくまで台湾版のことを忘れて、
初めて観る気持ちで行ってきました。

結果として、やはりストーリーの展開が急というか説明不足であることは、
前回と同じ感想でした。
ただ、どう表現したらいいの分かりませんが、
最近では、テレビにかじりついて集中してドラマを観ることもなく、
スマートフォン触りながらみたいな感じもあると思います。
まさに、そういった感覚、あまり必死に内容を理解しようとせず、
映し出されるシーンを眺めるような見方をすれば、今っぽいドラマのような映画
と思えてきたりもしました。

また、他の方が書かれている“パラレルワールド”についても、
描写されるシーンの流れからは、そういった解釈はちょっとなさそうだと思いました。

結局、この映画では一度も涙が流れませんでした。
これは、年代、性別、人それぞれの背景で、観ている映像の受け取り方が変わってしまうことを
再認識させられる結果となりました。

そう考えると、やはり時代も、今の27歳程度をターゲットに完全に練り直すべきだったんじゃないかと
思えなくもないのです。どう考えても、いまどきの学生寮のシーンじゃない・・・。

 

台湾版の時に、何故、30歳に近いミシェル・チェンが高校時代を演じているのか、
全く理解できていませんでしたが、結局、最後のシーンを考えると正しいかったということになります。
今回、ヒロインを演じた齋藤飛鳥さんは、若すぎたのかもしれません。
というより、日本では、監督が思ったものを作れているのかが、心配になってきました。

 

しかし、なんで、最後のバッティングセンターでの下りは変えたんでしょうね?

 

 

5 メモ

 

「那些年,我們一起追的女孩」(あの頃、君を追いかけた)

  

 

テーマ曲は、予告の映像とマッチしていましたね。

 

日本版

台湾版

 

日本版

台湾版

 

コメント

  1. […] 2018年公開の日本リメイク版は、こちら […]

タイトルとURLをコピーしました