映画『世界から猫が消えたなら』

日本

 

 

1 映画情報

原題: 世界から猫が消えたなら
出演: 佐藤健
宮崎あおい
濱田岳
奥田瑛二
原田美枝子 ほか
公開日: 2016年5月14日
上映時間: 103分
監督: 永井聡
配給: 東宝
公式サイト: ______
主題歌: HARUHI「ひずみ」
原作: 川村元気「世界から猫が消えたなら」

2 予告

掲載なし

 

3 あらすじ

 

体調の不良を感じ医者の診察を受けた”僕”。
医者から脳腫瘍と告げられる。

過ぎた絶望は、思いのほか冷静だった。

家に戻ると、自分とそっくりの悪魔が目の前に現れる。
悪魔は、ある取引をすれば、寿命を延ばすことができる、と”僕”に告げる。

その条件は、この世界から要らないものをひとつ消すと、1日寿命を延びるというもの。
何かを得るためには、何かを失わなければならない。

”僕”は、悪魔が決めた何かと引き換えに、1日寿命が延ばされていく。

4 感想

 

舞台となる町。
テーマ曲。
登場人物たちの落ち着いた穏やかな会話。

いずれも、良い映画という感じを漂わせています。

冒頭から感じることは、これはファンタジーではなく、人の意識にあるイメージの話ということです。
死を前にして残された時間。
やれることがどんどん減っていくことが、世界から物が消えることにたとえられているのではないかと
感じるわけです。

もともと原作のある物語で、国語の問題のように解釈はいかようにもあります。
映画が正しいとか、観ている視聴者が正しいとかは、分かりません。

映画を観ている間、視聴者たちは必死に、
そのストーリーがどこに向かって進んで行くのかを見極めるよう意識を導かれます。

驚きやなぞ解きの要素は皆無で、あくまで自分との対話を求められます。

消されようとする”もの”に関わる記憶を呼び起こされ、
それが、自分に与えた影響を知ることになります。

大切なものは、失う現実に直面しないと気づかないということに、
繰り返し意識が向けられます。

ただ、エンディングに向けての伏線かと期待していた部分は、
そういうこともなく、思っていたこととは違うところに着地した様に感じました。

登場人物、シーン共に、非常に限られた「世界」で描かれている作品だと感じました。
しかも、彼女役の宮崎あおいさんや友人役の濱田岳さんを贅沢に使っています。
主人公の意識下の世界を描写するには、周りの登場人物が目立ち過ぎてはいけないのかもしれませんが。

そして、主題歌「ひずみ」で、妙に、その世界観が完結されたような気がしてしまうのです。

5 メモ

 
 

ロケ地は、函館です。
路面電車と坂から見下ろす津軽海峡は、それだけでドラマ感じます。

 
 

 

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