映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』

映画

「韓国動員1200万人突破」というのが、どれくらいなのか調べてみましたが、
意外と興行収入のランキングはあっても、動員数のランキングってありませんね。

wikipediaの日本映画の情報では、「崖の上のポニョ」ぐらいみたいです。
凄いかも。

 

 

 

 

1 映画情報

原題: タクシー運転手 約束は海を越えて
택시운전사
出演: ソン・ガンホ
トーマス・クレッチマン ほか
公開日: 2018年4月21日
上映時間: 137分
監督: チャン・フン
配給: クロックワークス
公式サイト: http://klockworx-asia.com/taxi-driver/
主題歌: ______
原作: ______

2 予告

 

 

3 あらすじ

 

1980年5月。

妻を亡くし、娘と二人で暮らしていたマンソプは、お金が無いながらも、
ソウルでタクシー運転手をしながら生活を送っていた。

ある日、友人と食事をしながら借金の相談をしていると、
別の席で、通行禁止時間までに光州に行って戻ったら10万ウォン手に入るという
話を耳にし、その客を横取りしてしまう。

英語も話せず、その場のノリでビジネスマンを送り届ける仕事と思い込み、
意気揚々、光州を目指すマンソプだった。

光州の入り口で検問に引っかかった、マンソプとピーターは、
機転を利かせて検問を抜ける。

光州に入ったマンソプは、そこで変わり果てた街並みを目にし、
ピーターは、ビジネスマンではなく、記者であることを知る。

4 感想

 

本作品は、実話をベースにしているとのことですが、
ストーリーのどの部分が実話で、どの部分がフィクションなのかは
考えず、一つの映画作品としての感想を書きたいと思います。

韓国ドラマでよく見かけるエリートとはかけ離れた、
小物感漂う憎めないタクシードライバーと韓国の情報封鎖により、
明るみにされなかった事件が、外国人記者により世界に知らされたお話です。

言葉の壁というのは大きく、意志の疎通が取れていないふたりが、
タクシーで光州へ向かう道中は、タクシー運転手マンソプの調子の良さから、
コメディ映画と見間違うかのような雰囲気を感じます。

検問を通過し、光州へ入った後では、映画の雰囲気も変わり、事件の悲惨さが伝わってきます。

多くは、光州での出来事の描写が多く、人間味あふれるやり取りが繰り広げられ、
人間の心の弱さと、また、そこから立ち直る心の強さを共感できます。

起こった事件の中で、人々は大きな力に流されながらも抵抗し、
そのことがかえって、被害を大きくしてしまうのも、抗えぬ運命という感じがします。
抵抗を続ける民衆たちの人の良さが、さらに、悲しみを深くさせています。

この映画の評価が凄く高い理由としては、その、後日談によるものと感じます。
芽生えた友情と叶わぬ・・・により、この映画をさらにドラマティックにしていると思います。

若干、作り物っぽさを感じる点として、

・逃走中に、急に現れた光州のタクシー運転手たち
検問をやっと抜けたはずなのに、どこから現れた?

・飛行機の搭乗リストのくだりで、ピーターの名前が見つけられてしまう
これは、翌日に乗ると見せかけて、出国を前日に変更したというこですかね?

など。

このストーリーは、1980年が舞台です。
インターネットもなく、facebookも無い時代ということからこそ、
生まれたストーリーと言えなくもありません。

人の思いと、それが簡単にかなわぬ、虚しさ、やるせなさが、
映画の印象を形作っています。

このような映画は徐々に減っていくのかもしれないと思うと、
非常に貴重な作品だと思いました。

 

ただ、ちょっと、タイトルがカッコつけ過ぎな気がしますが。。。

5 メモ

 

光州事件とは、1980年5月18日から27日かけて韓国の全羅南道の光州市で起こった、
全斗煥らのクーデターに抗議する学生デモと戒厳軍の衝突。

クーデターと金大中らの逮捕を機に、それに反発する学生デモが起こった。
戒厳軍の暴力行為に対して、武器で対抗した市民もおり、銃撃戦も行われた。
このことは、全斗煥により情報統制が行われ、事件の実態が明らかにされていなかった。
5月27日に戒厳軍により鎮圧された。

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