映画『恋恋風塵』(れんれんふうじん)/ 戀戀風塵 / Dust in the Wind

台湾

満足度(90%)

初恋は風に消え、はかない想いが残る。

侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の「青春4部作」の掉尾飾る傑作

 

 

 

 

 

1 映画情報

原題: 戀戀風塵
恋恋風塵(れんれんふうじん)
Dust in the Wind
出演: 王晶文(ワン・ジンウェン)
辛樹芬(シン・シューフェン) ほか
公開日: 1989年11月11日(日本)
上映時間: 110分
監督: 侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
配給: フランス映画社
公式サイト:
主題歌:
原作:

2 予告

 

 

3 あらすじ

1960年代の終わりも近づいた台湾のある山村。
幼いころから兄妹のように育った少年ワンと少女ホン。
ワンは成績が優秀であったが中学卒業と共に台北に出て、働きながら夜間高校に通うことを決意する。
1歳年下のホンも1年遅れて台北に出てきて働き始める。

台北で働く二人は、強い絆で結ばれていたが、ある日、ワンが兵役に出ることになる。
それをきっかけに、二人の関係にも変化が現れる。

 

 

4 感想

映画が表現する内容やトレンドは、時代によって異なります。

この映画は、失恋映画ということになりますが、
最近作られる作品であれば、失恋しても最後は、前を向いて頑張っていこうという方向に行きそうな気がするんですけど、
この時代の映画はドライですね。バッサリと人生はそんなものだと教えてくれます。

トンネルから抜けるシーンが、これから始まる物語を想像させます。
舞台は、十分、九份、侯硐、台北。特に故郷は、明確に地域は限定されていません。
台北を除くそれぞれの土地は、距離が離れているので、故郷を一か所に特定することはできないです。

誰でも例えると思いますけど、日本の昭和初期を思わせる雰囲気を感じることができます。

 

線路に張られた幕に投影される映画、
言い聞かせながら子供にご飯を食べさせるおじいさん
手紙の代筆
仕送りの催促

 

映画の中で、そのシーンの説明は多くは語られません。
最近の映画は良く言えば、誰でも内容を理解できるように作られています。
でも、この映画は、観ている人たちが各々理解する必要があります。
登場人物たちの表情ややり取りから、知ることになります。

 

この映画を観るにあたり、登場人物が中学3年の少年、中学2年の少女であることは、
映画の中では知ることはできません。(字幕ではそんな言葉出てこなかった気がします)
どうやって、みんなは登場人物の背景を知るんでしょうね。
あらかじめ、パンフレットででも確認するんでしょうか?

また、登場する人物の名前は、日本人には馴染みが少ない音なので、
登場する男が、途中、誰が誰だか分からなくなりました。

実は途中まで、少女が台北に出てきたとき、兄を頼って出てきたのかと思ってました・・・。

こういうところが、不親切といえば、不親切ですが、
当時の映画は、何度も観て初めて、理解できるというスタイルだったのかもしれません。

台湾のちょっと昔を舞台に、寂れた街並み、遠くで聞こえる汽笛の音、
観ている人間に想像を与える演出にあふれた作品でした。

たまに、自分の人生を振り返るのに、良い映画ではないでしょうか。

 

5 メモ

 

 

1.本作品は、脚本を担当した呉念眞(ウー・ニエンジェン)の体験をもとにしているとのことです。

2.侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督はインタービューで、「私たちの記憶の大半を占めるのは人。都市は風景にすぎない。」と語っています。
この言葉を聞いて、薄汚れたTシャツを着て、夢を語って去っていった台湾人の若者のことを思いだしました。
監督のおっしゃるように、どこでその話を聞いたのかなんて覚えていないということに気づかされました。

3.辛樹芬(シン・シューフェン)は、「おしん」を演じた小林綾子さんに雰囲気が似てますね。

4.中華商場のシーンが出てきます。「歩道橋の魔術師」という小説で出てきますが、こんなだったんですね。

5.公証結婚
字幕でわざわざ「公証結婚」なんて書かれていたので、
なんか特別の結婚かと思ったら、台湾では以前、何人かの証人を立てて結婚をしていたらしく、
そのことを公証結婚と言ってたみたいです。
気まずそうな二人の雰囲気から、普通の結婚とは違う結婚でもしたのかと思ってました。

6.恋恋粉塵
タイトルは、異性への恋愛感情を思い切れない気持ちが粉々になるとでもいうことでしょうか。

7.タバコ:時代なのか、タバコのシーンが多いです。
昔の映画に今の感覚を持ち込むのはどうかと思いますが、
母親が「身体に気をつけて」と言いながら、父親が買ったライターを渡すシーンがあります。
昔は、健康より以前に、大人の象徴だったのかもしれませんね。

 

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