とうとう、最終回を迎えた「警視庁いきもの係」。
刑事ドラマのはずが、全くそれを感じさせないコメディードラマでした。
ある刑事事件で、怪我を負った須藤友三(すどうともぞう:渡部篤郎)が復職したのは、
総務部総務課動植物管理係、別名、「いきもの係」だった。
いきもの係には、動物マニアの薄圭子(うすきけいこ:橋本環奈)と、
須藤と旧知の田丸弘子(たまるひろこ:浅野温子)が所属しており、事件関係者の動物の面倒を見ていた。
石松和夫(いしまつかずお:三浦翔平)は、事件があるごとに須藤の元を訪ね、
動物保護の依頼をしていた。
現場を訪れた須藤と薄は、事件に関わることになり、
結果として事件を解決してしまう。
いきもの係に加え、警視庁捜査一課のメンバー、警察博物館の受付の三笠弥生(みかさやよい:石川恋)、
警察OBの二出川昭吉(にでがわしょうきち:でんでん)、濃ーいキャラクターの四十万拓郎(しじまたくろう:横山だいすけ)
を巻き込んで、ゆるーい感じでストーリーが進んでいく。
1.須藤の記憶喪失
須藤は、記憶喪失であることを周囲には黙っていたが、薄だけは気づいていた。
記憶喪失のことを、薄が仲間に語ったことで、以前コンビだった石松もそのことを知ることになる。
石松は、須藤が事件で負傷したことを自分の責任と考えていたが、
薄が記憶喪失のことを話したことで、須藤が記憶を取り戻すきっかけとなる。
2.たい焼き
復職した須藤は、たい焼きを見ると頭痛を起こすようになっていた。
本人はその原因が何なのかは、当初、知らなかったがストーリーの途中で、
石松の口から明かされる。
巡回中の警察官が職務質問をしているところに居合わせ、相手が銃を取り出して発砲した弾が、
須藤に当たり負傷することになった。
その時に、持っていたたい焼きが視界に入り、フラッシュバックするようになった。
3.鬼頭勉と石松和夫の関係
鬼頭勉(きとうつとむ:寺島 進)は、警視庁捜査一課の管理官を務めている。
鬼頭は、須藤のことを気にかけており、石松にも様子を監視させていた。
結局、その後は深い関りはなった。
4.薄圭子の南極行き
鬼頭からの電話で、薄がいきもの係から抜ける可能性を伝えられ、須藤はうろたえる。
薄には南極行きの話が入っていた。
仲間たちは、薄がどうするつもりなのかを確認したいが聞くことができない。
5.四十万拓郎の正体
9話最後に、意味深な登場をした四十万拓郎。
あたかも、鬼頭管理官の片腕のように。
そして、最終話へと入り判明したその役割は、鬼頭管理官から重々しい空気を出すようにと指示された、ただの案内役・・・。
最後の最後で、盛り上がりキターーーーーと思ったんですけどね。
6.いきもの係とは
最終話で、宗教法人ギヤマンの鐘の存在が明らかになります。
5年前に、鬼頭が担当した品川資産家殺人事件の容疑者だった庄野を連日取り調べした。
結果として、庄野は冤罪だったが、取り調べで拘束されているときに、経営していた養蜂場を台風に襲われ、
飼っていた蜂は全滅してしまった。
ギヤマンの鐘は、絶望した庄野にが近づき、復讐を企てたのだった。
反対に、鬼頭は庄野の蜂を全滅させたことを悔やんで、いきもの係を作った。
毎週、動物がゲストで登場しました。
第1話 ネコ(ナオミ)
第2話 ケープペンギン
第3話 蛇
第4話 ヤギ
第5話 リスザル
第6話 ヨウム
第7話 ピラニア
第8話 フクロウ
第9話 ハリネズミ、ハチ
最終話 ハチ
猫のナオミは、初回から通して出演していました。
薄圭子は、動物を通して事件の解決の糸口を見つけていきます。
かなり鋭い、推理で。
事件解決のために、動物がキーワードを与えてくれていますが、
なぞ解きの要素は薄く(まず、推理できない)、よほどの動物好きでもなければ、
ほぼ、興味がわかない。。。
当初、想像していた「・・・時間前」というパターンは、途中で消えてしまいました。
でも、最後の最後で復活しましたね。
橋本環奈さんのコスプレ婦警姿と、須藤のダジャレに対する薄の冷めた目を、
毎週期待していた視聴者は多かったはず。
橋本環奈PVチックなドラマでした。
1話から9話までのドラマとしての盛り上がりは薄く、
ちょくちょく、その回の最後に、いい話が出てきましたが、
似たパターンが繰り返されました。
最終回の一つ前の第9話の最後で、それまでのパターンを破り、
やっと動いた!と感じましたが、結局、思いっきり気のせいでした。
最後の最後まで、コテコテのコメディーでしたね。
猫のナオミと、薄圭子の別れ際のシーンは意味ありげでしたが、
それほどの意味はないんでしょうね・・・
続編を感じさせる終わり方でしたが、橋本環奈さんの雰囲気や年齢的な部分を考えると、
同じテイストドラマを作るのは、2018年にあるかないかというところでしょうか。
刑事ドラマでありながら、全く新しい切り口で仕上げたコメディードラマで、
個人的には楽しめる要素が多かったように思います。
しかし、渡部篤郎さんが、これだけコメディをこなす俳優さんとは思いませんでした。