「トクサツガガガ」のあたりから主演作が増えた印象の小芝風花さん。
※あくまで個人的な感想です。
彼女の存在感がますます増しているように感じます。
これまで彼女が演じてきた役柄は大人しめで控えめな印象がありましたが、
これまでの印象から一転して、言葉の端々からやさぐれ感が漂うキャラクターを演じています。
やさぐれ感とまでは言えないにしてもに「べしゃり暮らし」では、
その片鱗が見え隠れしていましたが、
「波よ聞いてくれ」では、彼女のこれまでのイメージを覆すような役柄を見せてくれました。
物語は、失恋した鼓田ミナレがバーでやけ酒を飲んでいる場面から始まります。
そこで彼女は見知らぬ男性に愚痴をこぼしてしまいます。
翌日、失恋の傷を癒えぬままアルバイトに向かった鼓田ミナレ。
その仕事中、彼女は過去の記憶を思い出すような声が聞こえてきます。
それはまさに、彼女がバーで見知らぬ男性と交わした会話でした。
ミナレが語った話は録音され、その音声がラジオ番組で流されてしまったのです。
ミナレが失恋話をした相手は、ラジオ局のチーフディレクターの麻藤兼嗣でした。
ミナレはラジオ局に抗議に行き、放送を止めることを要求しますが、
ラジオの3秒ルールを突き付けられ、自分がラジオに出演する羽目に。
このようにして、かなり強引な流れでラジオパーソナリティとしての道を歩むことになります。
ミナレは彼女独特な対応力で、リスナーから寄せられる様々な問題やトラブルを解決していきます。
ラジオに登場する人物たちも個性的で、彼らとのやり取りが本ドラマの見所です。
麻藤兼嗣とシセル光明の関係もキーワードっぽかったのですが、話はそこまで広がりませんでした。
限られた時間の中では、それもよかったと思います。
このドラマが伝えたかったメッセージやテーマは明確ではありませんが、
もし最終回のストーリーに集約されるのであれば、鼓田ミナレが流されるままに就いてしまった
ラジオパーソナリティという仕事に対し、自身の意志でその役割を果たそうとするまでの成長を
描いたドラマであったと言えるでしょう。
「波よ聞いてくれ」は深夜枠とはいえないまでも、
ゴールデンタイムから外れた時間帯に放送されました。
ストーリーの展開や伏線の回収においては、粗があると思う部分もありますが、
それが許容される時間帯だったと思います。
最近では、リアルタイムでドラマを視聴することが少なくなりました。
そのような状況の中で、1週間の一区切りとなる金曜日の夜中に、
リアルタイムで視聴したくなった久しぶりのドラマでした。
最後に、出演されていた平野綾さんについて。
声優としてのイメージしかなかったのですが、意外と多くのドラマに出演されているんですね。
勝手に思い込んでいた雰囲気と違ったので、最後まで気づかなかったです。